オシムの言葉

オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える

オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える

前から読みたいと思いつつ買いそびれていた本だが、オシムが日本代表監督になることが決まったこともあり、やはり読んでおこうと、ようやく水曜日に購入。このところ仕事で帰宅が遅くなっているので、土日にでも読もうと買っていた本だが、読み出すとあまりにも面白くて、週末待たずして通勤中や就寝前の時間を使って一気に読んでしまった。含蓄があり、ユーモアもある、オシム語録は、ジェフの公式サイトでも多数紹介されているが、本書は、オシムの言葉をただ紹介するだけでなく、複雑な民族問題を抱えた国に生まれ育ち、そして代表監督在任中にその民族問題による陰惨な戦禍に愛する家族や選手達が巻き込まれていく様を目の当たりにしていくオシムの激動の半生と監督としての歩みを丹念な取材を通じ書き、なぜオシムが人の心に残る言葉を発することができるのか、言葉の裏に隠された、より深いオシムの思い、意図などを教えてくれる。
オシムの日本代表監督就任を、明らかに自己の保身や協会の責任逃れの為に利用し、W杯での惨敗と日本代表の抱える問題点からをも眼を反らさせようとしている、川渕のやり方は気に入らないが、この名将を迎えることは、未来の日本代表に取って、大きな財産となるであろうことを予感させ、期待を抱かせてくれる。オシムが選ぶ代表選手達そして彼らの見せるサッカーがどんなものになるのか、とても楽しみだ。