「自殺されちゃった僕」を読む

自殺されちゃった僕

自殺されちゃった僕

Amazon に注文してあったのが届く。ねこぢるの死について書かれているということで前から読みたかった本。
生前のねこぢるの人物像、そして彼女と夫山野一の関係について、近しい知人だからこそ知りうる記述は興味深い。
青山正明については、読む前までは全く興味はなかったが、本書での彼と彼の周囲についての記述は、80年代90年代のサブカル史的な側面*1もあり、意外と興味深く*2読めた。
ただ、全体的には微妙な本ではあった。読み出すと一気に最後まで止まらず読み切れたので、面白くないわけではないのだが、最も本書の中に登場する、著者自身と自殺した著者の妻についての記述が、彼女の自殺から日が立っていなくて気持ちが整理されていないということもあるのかもしれないが、弱いというか、薄っぺらいというか、なんとも微妙。数多く出てくる著者の感傷的な言葉ほどには、心に響いてこなかった。

*1:一個人の周辺での出来事にすぎない記述を「サブカル史的側面」と書いてしまうのは我ながら大袈裟ではあるのだが、当時のサブカルシーンの中で目立っていた部分の良くも悪くも象徴的な人物には見える

*2:僕は 80年代90年代のサブカルシーンには特別に思い入れがあるわけではなく、疎い。疎いから興味深かった