ナルニア国ものがたり ライオンと魔女

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

原書と所々読み比べながら、のろのろ読んでたのを読み終える。邦訳、Incubasを「夢うなし」と訳してあるのに、なるほどなぁと膝を打つ。流石、瀬田氏である。Giant Rumblebuffinを、「巨人ごろごろ八郎太」と訳すなど、端々で思い切って和風に訳し、日本語としての語呂の楽しさや美しい響きを大切にしつつも、それでいて本流では和に流されすぎずに、この英国ファンタジーの世界観を決して崩さないバランスの良さが、瀬田訳の真骨頂であろう(瀬田訳が合わない人には、和風な部分は耐えられない違和感や異物となってしまうのかもしれないが)。