The J.R.R.Tolkien Companion and Guide

先週届いた、The J.R.R.Tolkien Companion and Guide 筺入り2巻セット。

少し藍色がかった黒と、金と銀の三色が巧みに組み合わせされた装丁が素敵です。背表紙は、 HarperCollins のハードカバー3分冊の HoME と統一感があって、並べると、いい感じでした。
パラパラ拾い読みをはじめたところなのですが、邦訳関係のことは何か書いていないかなと、探してみると、ありました。
Reader's Guide 巻の、'Illustration' 項に、邦訳「ホビットの冒険」の寺島龍一画伯の挿絵について、'in many ways astonishing' と、トールキンが手紙に書いていたことや、スマウグの絵を気に入っていた様子などが紹介されています。トールキンが「ホビットの冒険」挿絵を気に入っていたエピソードを読んだのはこれが始めてではないのですが*1、寺島挿絵は僕も大好きですし、慣れ親しんでいるホビットの冒険挿絵が、このような優れた本の中で、トールキンのお気に入りとして紹介されているのを読むと、自分のことのように誇らしくなり、嬉しくなりました。

The J.R.R. Tolkien Companion and Guide [BOX SET]

The J.R.R. Tolkien Companion and Guide [BOX SET]

*1:例えば、僕の手元には、地元の図書館で借りた冊子に載っていた、寺島龍一画伯による[[瀬田貞二]]氏追悼文のコピーがあるのですが、その中で寺島画伯は、トールキンからお礼の手紙が来たことを回想されていて「訳は日本語が分からないから批評できないが、絵はマグニフィサントと最高の賛辞をいただいた。」と記しています(ちなみに、この後は、「ところが訳はそれどころでないすばらしさなのである。」と続く)。この、教授が寺島挿絵を 'magnificent' と絶賛したエピソードは、[[斎藤惇夫]]さんの「子どもと子どもの本に捧げた生涯―講演録 瀬田貞二先生について」でも触れられています。