ひなぎく

ひなぎく [DVD]

ひなぎく [DVD]

これもかなり前に購入したDVDで、いつ買ったかすら定かじゃないぐらい、ほったらかしてました。ヤン・シュヴァンクマイエルのファンサイトに、お薦めのチェコ映画として紹介されていたのが、頭に残っていて、ショップで見かけたときに衝動買いしたように思います。DVDパッケージの紹介文には「幻の60年代、女のこ映画の決定版!ウソとバカ騒ぎとお気楽さだけのハチャメチャ行状記。オシャレして、男だまして食べ放題・・・泣きまねして逃げちゃえ!(後略)」とあり、ただそれだけの作品なら、ちょっと面白そうではあっても買うほどは興味は持たなかったと思いますが、僕が読んだたサイトの紹介からは、それだけの作品ではないように感じられたことと、ヤン・シュヴァンクマイエル作品が好きなことからチェコ映画には興味があったのが衝動買いに繋がったのでした。プラハの春直前のチェコで撮られ、女性監督ヴェラ・ヒティロヴァーは、この作品と、1969年の「楽園の味」という作品を発表後、チェコスロヴァキア政府から睨まれ、1976年まで活動停止に追い込まれたという、政治的背景も作品への興味を後押ししました。
全編実験的な映像処理が続き、ストーリーらしいものはないのですが、映像センスのいいスタイリッシュな映画です。当時のチェコ社会を、女の子二人の行動を通して諷刺しているのも明かに見て取れる作品です。男の僕が観ても、なかなか面白く観ることができる映画でしたが、やはりこれは女性が、主人公の女の子二人に感情移入しながら観るのが、一番楽しめる作品だとは思います。



ところで、この DVD、メニューが存在しません。チャプターが全く切られておらず、字幕のON/OFFもなく、まるでビデオをそのままダビングしたみたいな悪い意味で豪快なDVDです。もっと、なんとかならなかったのでしょうかねぇ。字幕はまだしも、チャプターがないのは不便すぎます。