ユリイカ10月号「特集 北欧神話の世界」
ユリイカ10月号「特集 北欧神話の世界」購入。ユリイカで約30年ぶりの北欧神話だそうです。北欧神話、やはりいろいろ知っておきたいなと、興味はあるものの、なかなか深く踏み込めず、かなり疎いのですが、ユリイカ特集では、伊藤盡さんが、八面六臂の大活躍されていることもあり、北欧神話の勉強と、伊藤盡さんの対談や文章読みたさと、そして、トールキンへの言及も期待して、発売前から楽しみにしていました。
- 【対談】井辻朱美×伊藤盡「散種される北欧神話 音楽・言葉・イメージを渉猟する」
- 「北欧神話によせて オーディンと予言の力」米原まり子
- 「ロキと、オセット人の 「ナルト叙事詩」 の中のシュルドン」吉田敦彦
- 「黄金のミトロギア 北欧神話の 「金属/豊饒」 観念の由来」鶴岡真弓
- 「原典資料」ジョン・マッキネル(訳 伊藤盡)
- 「エッダ詩」テリー・グンネル(訳 伊藤盡)
- 「北欧神話から北欧学へ」尾崎和彦
- 「異教神話と宗教」ピーター・オートン(訳 伊藤盡)
- 「北欧神話と北欧の間 歴史学から見た北欧神話の再考」古谷大輔
- 「北欧神話の魅力とは何か?」冲方丁
- 「神話の蘇生から砕片化へ そして世界神話への再結晶化」井辻朱美
- 「北欧神話の世界とそのイメージの受容」伊藤盡
- 「RWによる北欧神話リミックス あるいは、ヒトの 「先」 を描くものへ」小沼純一
- 「韓国文化における北欧神話 『ラグナロクオンライン』 から 『ああっ女神さまっ』 まで」宣政佑
- 「北欧神話の神々事典」伊藤盡編
(2007-10-02 追記)昨日書いた上の目次紹介で、伊藤盡さんの論考「北欧神話の世界とそのイメージの受容」が抜けているという、失礼で、間抜けなとをしていましたorzこの論考、特に楽しみにしていたものだというのに・・・追記しました。
まだ、伊藤盡・井辻朱美対談を少し読んだぐらいなのですが、期待通り、北欧神話から、トールキンについて話しが広がっており、お二人の対談、大変おもしろいです!対談中で、井辻朱美さんが持ってこられた、「妖精物語について」を見て、伊藤さんが、「これは僕の大好きな本なんです。文中の端々にトールキン自身の『サガ』についての解釈をしのばせてあるところが好きなんですが、(略)本当は、これ一冊を解読するのにもその倍くらいの北欧神話についての解説書が必要なものですから」と語り、井辻さんが「それは是非伊藤先生に注をつけてやっていただきたいですね(笑)」と、返しているのですが、井辻さん、いい提案!「妖精物語について」は、翻訳で読んで、僕も、とても感銘を受けました。しかし、僕が読解できるところなど微々たるものだという自覚は以前からありますから、是非、トールキン作品への愛情と造詣深く、豊富な専門知識を持たれている、伊藤盡さんの解説は読んでみたい。
伊藤盡さんの「妖精物語について」解説が、実現するかどうかは分かりませんが、実は、洋書では「妖精物語について」に解説を付けた本が出るそうです。ずしおさんのブログ「トールキン関連本を読む」で紹介してくださっていたので知ったのですが、近刊の(遅れるかもしれませんが)、「Tolkien on Fairy-Stories」という書名のもので、Verlyn Flieger と Douglas A. Anderson が編集し解説をつけ、最終的に本になったものより、長く書かれている草稿も収録されるという、注目のトールキン文献です。センテンスひとつひとつが、幾重のも意味とトールキンの博識の背景を持つ、この論文を、当代一流の研究家達の解説入りで読めそうということで、僕の英語力では立ち向かえず、拾い読みしかできないであろうことは分かってはいますが、予約しています。
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