修羅雪姫

観てから約2週間立った、修羅雪姫藤田敏八監督、梶芽衣子主演)のこと、記憶が薄れる前に簡単な感想書いておくことに。
期待以上に面白い作品。生まれ落ちたときから母の怨念背負い、血にまみれながら、復讐を繰り返し、人を斬っていく、修羅雪役は、クールビューティー梶芽衣子さんに嵌りすぎ。「許してくれ、助けてくれ」と、土下座し命乞いする復讐相手を「許しもしないし助けもしない」と、強い目線で、言い放つ、デモーニッシュな美しさある姿には、ただ痺れるしかない。復讐邪魔する男達を、容赦なく逆手で斬っていき、斬った相手の血と、斬られた自らの血とで、赤く染まる着物姿での、庭園での大立ち回りが、圧巻。

怨みの連鎖を描き、キル・ビルでも使われた名曲「修羅の花」流れる、ラストも完璧。残酷なシーンも出てくるが、全体に、リアルすぎる映像演出ではないので(修羅雪は、助走することなく下から見上げていた階段の上にジャンプしたりする、あなたは仮面ライダーかと突っ込みたくなるような、漫画的な跳躍力の持ち主だったりするし)、娯楽作品として観られる範囲。
続編『修羅雪姫 怨み恋歌』も観て、こちらも、結構面白く、岸田森ら個性的で演技力ある脇役にも恵まれた作品だが、一作目のラストが良すぎた為、この続編なく一作で修羅雪姫は終わりでよかったのではないかというのが正直なところ。肉親の怨みを背負うことで、人を斬る外道な運命へと進んでいった一作目の雪と違い、赤の他人の怨みで人を斬った2作目の雪は、少々正義の味方臭が出てしまって、一作目ほどは、魅力がない。一作目での修羅雪=梶芽衣子が良すぎるというべきか。
DVDは2作とも、梶芽衣子さんへのインタビューと、原作の小池一夫のインタビューが特典映像収録されている。梶芽衣子さんのインタビューは、着物での立ち回りについてや、当時の自分に対する評価など、いろいろ面白く興味深い(ただ、インタビューアは他に誰かいなかったのだろうか。映画にも、この作品自体にも詳しいとは全く思えない女性インタビューア・・・松下友美って誰?・・・は、せっかくの貴重な機会なのに、梶芽衣子さんから話しを聞き出しきれていないのが残念)。
力ある眼が印象的な、梶芽衣子さんは、インタビューでは眼が悪いから強く見てしまうだけだと、謙遜か、おっしゃっているが、眼の奥にはそれ以上のものがあり、全身からも毅然としたオーラが感じられ、修羅雪姫では、役柄とも相まって、日本の女優さんではちょっと類型が見つけづらい、独特で鮮烈な美がある。
小池一夫のインタビューの方は、90%ぐらいは、ただの自慢話だった。

修羅雪姫 [DVD]

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修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]

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YouTubeに上げられている、修羅雪姫の予告編