伝説巨神 イデオン

今週放送されていたBSアニメ夜話、1〜2日目はパスしたが、3日目はTV版も映画版もリアルタイムで観ていて思い入れがある「伝説巨神イデオン」なので当然観る。内容的に物足りなさもあったが、この作品は、1時間で語るには無理があるだろうし、こんなものか。イデオンを語る上で、外せない容赦ない死に様には触れず仕舞いだったが、NHKで、劇場版のキッチンとか、アーシュラとかの死に様は無理だったか。湖川さん出演は嬉しい。欲を言えば冒頭から出てもらって、濃い話をもっと聞いて欲しかった。
イデオン映画を観たのは中学生のときだったが、発動編はアニメでこんなことやっちゃっていいのだろうか!?と思ってしまうぐらい、あまりに衝撃的だった。感動とかっていうのじゃなくて、何か、とてつもなく、やばい物を見てしまったような気持にさせられた作品だった。
そのアニメ夜話に触発されて、イデオンの発動篇を2年ぶりぐらいに再見。以下、アニメ夜話では特に触れられなかった、登場人物達の、死に様についていくつか。
イデオンの中では珍しい美形少女で、3回のみのゲストキャラながら、当時、アニメ誌などでも人気がすごくあったように記憶している、キッチ・キッチンはテレビ版では、バッフ・クランに撃たれ息絶え、草原に横たわる中、名曲「コスモスに君と」が流れる哀しくも美しく、テレビ版での名シーンの一つだ。一方、映画版の発動篇では、そんな人気美少女にも容赦はなく、綺麗な死に顔などは用意されていない。爆弾の直撃を受け、主人公コスモのヘルメットのバイザーに映るのは、キッチンの吹き飛んだ頭だ。美しかろうがどうであれ、戦争で死ぬことってこういうことなんだと観客に訴えかけているのか。発動篇が始まってわずか2分後の、このシーンに当時中学生だった僕は、心臓が止まりそうな衝撃を受けた(そして、この映画の中ではそんな衝撃はこれが最後ではなかった)。


顔を無残に打たれたカララ。画面に映らない死に顔を見たコスモは「綺麗な人だったのに」と呟く。ヒロインに死に顔すら用意されていないなんて後にも先にもイデオンだけではないか。

ソロシップでの白兵戦の中、ソロシップのマスコット的存在の幼い少女アーシュラら子供も武器を取っている。爆風とともに、飛んできたバッフ・クランの兵士を見ているアーシュラ、そして・・・
今、こんな作品が作れたとしても、R指定がつけられてしまい、中学生は観られないのじゃないだろうか。80年代は表現に、まだ大らかであった。
下は、音楽に乗せてイデオン名場面が流れる有名な動画で、幾つかバージョンかある IDEON remix の Death Version。

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イデオンという伝説 (オタク学叢書 (Vol.2))

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