「女番長」 DVD 'Girl Boss Revenge'

女番長(スケバン)」シリーズ4作目、鈴木則文監督「女番長」のUS盤 DVD (リージョン1) 'Girl Boss Revenge'が昨日届いた。

「苦しいときも悲しいときも、みんな一緒のやさぐれ同志」ジプシー団率いる、さすらい無宿の関東小政〜杉本美樹(主演)と、「大阪は梅田で番を切ります」学ラン摩耶〜池玲子(準主演)のツインタワー作品。

DVDの映像特典として、このDVD用に撮り下ろしの鈴木則文監督インタビューや、ポスターとスチル写真のギャラリーなどがある。収録のトレーラーは、オリジナルではない独自編集っぽいものであった。英語字幕はメニューでON/OFFはできないが、DVDプレーヤー側でOFFにすることが可能なので問題なし。

監督インタビューは、女番長(スケバン)というタイトルについてや、池・杉本のデビューのきっかけ、ファッションについて等々が語られ14分程ある。
「日本の芸能史で言えば江戸時代から、つまり反権力・反体制なんですよ。それがお客が喜ぶんだよ。(略)松竹のお客は別としてよ、東映のお客は反権力・反体制当然と。それが常識なんだよ」
「私がなぜポルノ映画とか大衆芸能にこだわるかって言うのは、やっぱり世の中面白くないから。そこに石を投げたいと。そんなに君、立派な映画じゃないんだから、半分遊びの映画なんだから、アミューズメント(笑)」
反権力・反体制について、大義名分をふりかざしたりはしないで、常識だよ楽しませる為だよと語る、則文監督は信頼できる。このインタビューを手伝われた柳下毅一郎氏のブログによると、カットされている部分にも面白い発言があるようだ。どうせならノーカット収録してほしかったなぁ。

本編は、ネット配信で数ヶ月ほど前に観ていて、2度目の鑑賞だが、観ていて楽しいったらありゃしない。

  • 摩耶と小政の女だてらのスケバン仁義の切り合いくる!
  • ジプシー団結成シーンくる!
  • 杉本歌の「女番長流れ者」くる!♪ぐれて流れて3年たって 肌にゃ真っ赤な薔薇が咲く〜 野暮な喧嘩も売られりゃ買うさ 女だてらにきる仁義 あ〜あ女番長流れ者〜 あ〜あ女番長流れ者〜
  • 鳩捕獲→焼き鳥屋→警官・大泉滉登場来る!
  • 「あわてるんじゃないよ!どこへでも案内しな」杉本美樹が格好よすぎる、ジプシー団vs梅田学ラン会対決シーン来る!(音楽とカメラワークも最高!)
  • 杉本vs池の、迫力満点のタイマンシーン来る!

etc、あげてったらきりがない、来るシーン来るシーンひとつひとつを楽しみにしながら観られて、初見で観たときより面白かったぐらい。まさにアミューズメント気分。ラストも分かってても爽快。

この作品、杉本・池がいいのはもちろんだけど(ツートップが目立つ分、他の脇のずべ公たちの影が薄くはあるが)、飄々とした、エロ映画監督・荒木一郎がいい。クライマックス前に、一緒にやくざに復讐に行こうと言われても、行かない荒木のセリフは好きだ。
「それじゃぁ男が立たないじゃない」
「男なんか立たんでも、下のもんさえ立ちゃぁええんや。わいの使命はなぁ〜国民の為にええ映画を何本も何本も作り続けるこっちゃ」
格好なんてつけずに、いい娯楽映画・大衆映画を作り続けた則文監督作品らしいセリフではないだろうか。