隠し砦の三悪人


The Hidden Fortress - The Criterion Collection」を鑑賞。手に汗握る逃亡劇の果ての痛快爽快な展開。七人の侍の、感想に引き続き、同じこと書いてしまいますが「滅茶苦茶面白い」。
千秋実・藤原釜足演じる愛すべき凸凹コンビ太平と又七のやり取りの面白さ、三船演じる六郎太の半端なく躍動感あふれる騎乗と殺陣のかっこ良さ、上原美佐演じる雪姫の凛とした美しさ(新人で抜擢された上原美佐さんの演技ははっきりいって下手糞なんですが、それを補って余りある存在感が、この映画の中の彼女にはあります)、そんな4人(途中から5人)が織り成す冒険活劇が面白くないわけがないのです。これぞ娯楽映画。
そんな中に、雪姫の身代わりとなり死す六郎太の妹の存在、太平と又七が愚かな欲に度々駆られている様、こういうダークな面や人の業を、短い語りの中であったり、笑いとともにであったり、大仰にではなくさらりと入れて、娯楽活劇としてのバランスを崩さないのが、流石全盛期の黒澤明というところでしょうか。