続・『Lunacy ルナシー』をスクリーンで鑑賞

昨日の続きです。京都シネマは、はじめてで、場所もよく分かっていませんでしたが、駅で聞くと出口を出てすぐのところにある、COCON 烏丸という結構洒落たビル内にあり、あっさり辿り着きました。この劇場は毎週水曜日が映画ファンデーとして割引料金になっているようで、その日と週末に挟まれた、木曜日の夜だからでしょうか、劇場は、混んでいる様子はなく、のんびりとした雰囲気。チケットは整理番号付きで、番号順に自由に席を選べるようになっており、早い番号を貰えました。
チケットを買い、ロビーで飲み物を買い休んでも、まだ開場までは、少し時間があったので、同じフロアーにあった shin-bi という、アート系の小物や出版物、DVDなどを売っていて小さなギャラリもある、落ち着いた感じのいいショップに入って時間つぶし。中身が気になっていた洋書や、面白そうなDVDがあって、それらをぱらぱらと眺めたり、パッケージを見ているだけで楽しめました。もう少し時間があれば何か買って帰ったかもしれないのですが、選ぶにはちょっと時間が短く買わないまま劇場へ戻る。このショップ、シュヴァンクマイエル関連の DVD や書籍なども結構あって、扱っている店が限られている「シュヴァンクマイエルの不思議な世界」なども売っていたので、京都シネマに『Lunacy ルナシー』観に行くつもりのシュヴァンクマイエルファンは、ついでに立ち寄ってみるといいかもしれません。
開場時間となり、早い番号で、満足できる席を選ぶことができました。最初の印象通り、観客は多くはなく、観に来ている人達の座席の間は余裕があり、体調不良の夜には、混んで賑わった映画館より、これぐらいで、座席も隣が空いているぐらいが、丁度良い。映画が始まり、スクリーンは予想していたより小さかったけれど、音響はなかなかいい感じでした。肉が這いずる音が足下から響いてくる。絵も小さめのスクリーンとはいえ、うちのしょぼい視聴環境で DVD を観るのとは迫力の違いは歴然。やはり映画は、映画館で観るにこしたことはないと実感。
DVDで既に観ていても、いい映画は、観る度に発見があるし、ヤン・シュヴァンクマイエルの作品も勿論そうで、映画が始まると、その世界に引き込まれていく。それにしても、スキンヘッドの体格のいい男達が薄ら笑いで精神病院へ連れて行くべく拘束着を着せてくる悪夢は、ベルロならずとも決して観たくはない恐ろしい夢だ。シュヴァンクマイエル作品が、僕に与える恐ろしさと可笑しさは紙一重で、その男達の薄ら笑いを観ていると、笑いもこみ上げてきそうになる。

そして、2時間、体調の悪さも一時忘れて、映画を堪能し家路につく。家に帰るともう日がもうすぐ変わりかけていて、流石に疲れ、忘れていた肉体のしんどさも訪れたけれど、Lunacy で、シュヴァンクマイエルが見せてくれた世界のことを考えながら、なかなか寝つけなかった。寝つけなかったことは昨日も書いたから、今日はこのへんで。

オールアバウト シュヴァンクマイエル (Lucaの本)

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